2001年12月28日金曜日 17:29送信
ここに来てもうすぐ5ヶ月、授業は毎回あれこれ考えて、『ネタ』も尽きそうです。あれこれ考えた割にはいまいち反応が悪かったのもあるけど!
半年を振り返って、生徒の日本語力は半年前と比べて伸びてきたと思うし、日本人が来たことによって学習の動機もあがったと思います。生徒は本当に熱心に勉強している、というのが感想ですが、自分自身、これからはもっと日本語についての勉強と教え方の研究をしていかねばと思っています。
さておき、今日は2年生の今年最後の日本語の授業。あれこれ考えた挙げ句、カレーを作ってみんなに食べてもらおうと思いました。
今まで、何回かの中国人の友人にカレーを作って食べてもらうと、必ず「おいしい!!」と言って飛びついていました。だからきっと成功すると自信満々。
生徒におにぎりを作ったら、「まず〜₍₍ ( ‾᷄꒫‾᷅ ) ₎₎」と言われたこともあるので、今回はカレーでいこうと思いました。1年生は60人くらいなので、新年開けてから3回に分けて作ろうと思っています。( ;´Д`)ヒィィィィィィー!
カレー大会の開催〜〜!
野菜を買いに行こうと思ったら、ちょうど食堂の責任者の人がわたしにということで、じゃがいも、にんじん、キノコ?!、卵を山のように下さいました。余ってるから…とのことだそうです。
「エ〜っ、すみません!!いんですかね?」と言いながらも、心の中は「おっと、ラッキ〜!」。ちゃっかり頂戴しました!
牛肉と玉ねぎを買いに行き、作ろうとすると…またかい!?断水です…。しかし、午後になって水が出たので助かりました。授業は4時から。野菜を切って切って切りまくり。
大きい鍋で作りました。ご飯は10合までしか炊けず、2回炊こうかと思ったのですが、なんせここの気温はマイナス10度くらい。炊いている間にこのご飯はきっと冷えてコチコチになると思い、20人で10合で。
4時からは授業なので自分の家からご飯やら、鍋やら、食器やらいろいろ運びました。足りない食器はカウンターパートの先生が食堂から借りて来て下さいました。やれやれ…。本当に疲れた。
4時前にスプーンを持った生徒たちが元気にやって来ました。「じゃあ、女の子、ご飯をよそったり、カレーをかけたりして手伝って!」「男の子は机を並べて準備して!」と叫ぶと女の子の学生がご飯をよそいに来ました…が、自分の分だけ。次にやってきた女子学生も自分の分だけ。どうなってるんだ?!気配りってもんがないのか?!しょうがないのでわたしが全部よそうことにしました。
よそっていても、みんなが列にならない。お皿は目の前にどんどん出してくる。本当に並ぶという習慣がないのかあ〜〜!!この田舎では…。
よそっている間に横をみると、もう食べてる…!!「ちょ〜〜〜っと待て!!みんなそろうまで待って下さい!!!」「今日は日本式だから!!」
みんなよそい終わるとカウンターパートの先生の分がほんの少ししかない。わたしは別に食べなくてもいいんだけど、先生がかわいそうで…。でも先生は「いつでも機会がありますから!!」と笑顔。ほんとうにいい人だ!!と思う一方で、生徒は目の前にあるカレーのことでいっぱいで先生の分がなかろうと一人も気にはしていない…。それはどうかと思うけどなあ…。
この一瞬の時間に恐ろしいくらい異文化を見た!!という気がする。もし、これが中国に来たばかりの頃だったら、「なんてこった!」と怒っていたかもしれないが、今では微笑ましく見られるようになった。
日本人と気を遣うところが違うだけなのだと思う。それに中国の中でも地域差もあるし、一言ではどうだと言えない。ある意味、分かりやすくていいんじゃないかなと思うところもある。
「はい、手を合わせて…。いただきます!!!!」「いただきます!!!!」徒競走のように全員がカレーを全力で掻きこんでいいる。た、頼むから…味わってくれ〜〜〜。
一人の生徒が「先生!!これは本当においしいですね!!」と言った。もうその顔はお代わりを待っている顔だ!!
「ご飯なくなっちゃったけど、カレーならありますよ。食べて下さい」と言うと、何人かの男子生徒がカレーの前で押し合いへし合い…。
何時間かかけて作ったのに、一瞬でなくなってしまいました。中国でご馳走になるときは、お腹がいっぱいで倒れそうでも、まだ料理が出てくるので、すぐなくなってしまって、こっちが面目ないという気がしてしましました。でも友達や親に頼んで送ってもらったカレーをみんなで味わえて良かったです。
来年は1年生に……(ノ≧⊿≦)ノギャー!!!! 比較的おとなしい2年生でこうだったので、暴れん坊1年生はどうなることやら…。
わたしの意見ですが、中国の人は日本人ほどなんでも「ありがとう」「すみません」と言わないと思います。確かにカレーを作っても言ってませんでした。わたしは別に言ってもらうつもりもなかったので、よかったですが、皿を取りに行ってくれた先生には「ありがとうございます」と生徒に言わせました。
やっぱり日本語を勉強している以上、日本の基本的な礼儀は知ってたほうがいいと思いますから。まあ、ここは中国だからいいんですけどね。
わたしはロシアへ留学していたときも思ったんですが、「ありがとう」とか「すみません」と言うのは、日本人の美徳で相手を思いやるからこそ自然に出てくると思っていました。
確かにそんな一面もあります。でもそれが一番ただしいかというとどうかな?と思うようになりました。確かに中国では日本ほどお礼を言う習慣がないですが、これはある意味、気を使わなくていいという美点もあります。
日本人は言いすぎて返って相手に気を遣わせてしまうときもあるんじゃないでしょうか。中国の人はあまり言わない代わりに、相手が自分のものを借りても友達を助けたとしても、当然のことだと言いますし、「ありがとう」という言葉を待っていないように思います。
そんなところはいいんじゃないかなと思います。中国の文化のいいところは吸収していきたいなあと思いました。
まあ、そんなこんなでカレー大会は終わりました。生徒たちは「おいしかった!」と言って、片付けを手伝ってくれました。「おいしい!!」と言ってくれるだけで十分だなあ!!と思いました。なんせ、中国五千年の味を知っている中国人に言わせたんですから!!!でもカレーって…インド料理!?
まあ、そんな細かいことは大陸中国では関係なしですよね!!では、このへんで!!