2001年の記録

北寧 in チャイナ 10 〜異文化適応ハネムーン期を過ぎて〜

2001年11月21日水曜日 0:04

もう中国に来て4ヶ月が過ぎました。早いものです。

最初の3ヶ月は何を見ても新鮮で、なんでも吸収しよう!という好奇心でいっぱいでした。最近は生活にも慣れ、学校の授業にも慣れてきたのですが…。

ささやかなカルチャーショック編でいろいろ中国に来て驚いたことを紹介しましたが、実際にああいったことに、後で考え直すほど驚いたり、考えさせられたりはしませんでした。

実はそれより、普段過ごすなかで何気ないことが、深い意味のカルチャーショックなっています。メールなのでうまく言えませんが…。最近は今まで気にならなったことが見え始め、いろいろ考えさせられるようになりました。

わたしの働いている高校はめちゃめちゃ進学校なんですが、学生は異常なくらい勉強しています。というか、させられているというか。

朝は6時から夜は9時10分まで。これを月曜から土曜までです。さらに日曜日は、朝6時から11時半まで授業があって、夜は5時半から夜の9時10分まで授業があり、唯一の救いは11時半から5時半までの休みだったんですが…。

先週からそれさえもなくなりました。昼の2時から4時までさらに自習が入りました。休みなしです。なんかめちゃくちゃです。

『いい大学に入るためにもっと勉強しなくてはならない』ときう理由で決まったそうです。これもかなり信じられないことで、心が痛いです。

学生はといえば、本当に朝から晩まで頑張っているんですが…。田舎から来た学生たちなので、いい意味で素朴です。でも一人っ子ということもあり、わがままな学生もちらほらいます。

同僚の先生に言わせると、「今の子供たちは、親や先生方に対する感謝の気持ちがない。わがままだ」ということです。一概にそうだとは言えないと思いますが、まわりから大切にされて育ってきて自立性がない子供もいるようなきがします。

また、作文の時間をもっていて、学生の作文を見るたびに思うことは、個性がないということです。教科書の本文をほとんど写したものなど、自分の独創性、自分の意志や意見があまり見られなかったのが印象的でした。

『私の夢』という作文を書かせたときに、ほとんどの学生の夢が“童話作家”でびっくり。実は教科書に「夢は童話作家になること」というのが載っていたんです。

「本当に童話作家になるの???本当に??!!」と学生を問い詰めてみました。作文を写すことは日本人にとっては、ちょっと…と思うことですが、ここでは普通のことでした。

だから、中国の学生の暗記力はすごいです。でも、応用力や独創性がないと感じるときが多いです。あくまでわたしの主観ですが。写した作文を読んでるときも、心が痛いです。

なんか本当に最近いろいろなことを考えます。上に書いたことなんで、ちょっとしたことなんですが、積もってくると…。学校の意見、学生の立場からの気持ち、教師の意見、それぞれ分かるところ、分からないところがあります。

日本人から見て、信じられないこと、びっくりすること、たくさんあります。最近、いろいろ考えるようになって、ここからが本当の中国生活かもしれないと、思うようになりました。

中国という国について

わたしの同僚の先生は、とってもいい人です。その先生には何でも思ったことを話しています。本当のお姉さんのようです。今日先生に自分の思うことをいろいろ話してみました。

「4ヶ月経って、最近いろんな違いを発見するんだけど、ときどき苦しいときがあるんだ」そしていろいろ話しました。先生はいろいろな歴史の事、近代の中国についてなど話してくれました。

秦の時代から、清の時代まで皇帝が国を治めていたこと、皇帝の権力は絶対だったこと。これに民衆はずっと耐えてきた歴史もあるから、だから当然ヨーロッパなどと考え方も違うこと。また、この国の人口の多さ、大きさ。13億人以上の、この国の人がみんな同じように国の発展とともに豊かになっていくのは、難しいこと。いろいろ話してくれました。

先生が子供のときは、貧しくて電気もろくに通ってなくて、夜6時には寝ていたそうです。食べ物も貧しいものだったんだと言ってました。

「その頃に比べて今は本当に変わったよ。でも良い伝統も失われてきてるかもしれない。中國では権力のあるところにお金があり、お金のあるところに権力がある。権力に左右される社会でもある。普通の人にはどうしようもないんだ」と言っていました。

日本にもたくさん、今問題があります。国が時代を経るごとに、いい結果悪い結果を生み出していくんだと少し感じました。わたしのちっぽけな頭では、よく分かりませんが、未来の結果は今のこの時代にかかっているんだ、今のこの生活にかかっているんだと、今日先生の話を聞いて思いました。

日本人として、今このときに中国という国に来ることができて、中国にもまれながら、この高校で働いている意味をしっかり見つめたいなと思いました。

それぞれの国にはそれぞれ独自の歴史があり、文化、習慣がある。当たり前のことなのに、どうしても日本人としての目線で見てしまうときも多いです。それも当たり前のことかもしれませんが。

家族親戚との温かい繋がり、客をもてなす心、気を使わないところ、中国には日本に少なくなっている良いところもいっぱいあります。

これからもいろんな考え方の違い、習慣の違いに悩むかもしれません。その時の気持ちを大事にしていきたいと思います。まぎれもなく、それが中国や中国人に成長させてもらっている過程だと思うからです。

これからできるだけ、中国の歴史を勉強しようと思いました。考え方や習慣には、きっとその背景があるはずです。歴史を勉強することで、少しでも理解できたらと思います。

みなさん、いい本があったら紹介してくださいね。お願いします!!また長くなってしまって本当にすみません!!反省。

みなさまもお体に気をつけて。では。