2002年3月21日木曜日 18:16
今期になって、弁論大会、授業と忙しい日々が続いています。今日は三つの授業がありました。
2時間目…4年生(浪人生)の作文
「私の数学の先生」という題で書かせた作文の誤用を説明しました。このクラスは25人。よく書けている人とめちゃくちゃな人の差が相変わらず激しい…。
- ・数学が下手でした。
- ・先生は多く私を助けてくれました。
というような誤用が多く見られます。これを黒板に書いて学生に考えさせ、訂正させ、どうしてそうなるのかを説明しています。
聞き取りが弱いので徳時中国語を使って、分かるように説明してるつもりなんですが、本当になかなか誤用が直りません。一部の学生ですが…。
先週説明したところをまた間違えられると本当に「はあ〜〜〜???!!!」と言いたくなります。よく書ける人と書けない人の差は、やっぱり能力的なものもあるかもしれないけど、思うことは、復習してるかしないかと集中力にかかっていると思います。
5時間目…1年生の会話
これは60人くらいの大人数クラスなので、ほんといつもパワー吸い取られまくりです。今日は教科書の会話のところを勉強。
- 「〜さん、すみません、ちょっとお願いしたいことがあるんですか」
- 「なんですか?」
- 「〜を借りてもいいんですか?」
- 「いいですよ。何に使うんですか?」
- 「そうですか。どうぞ」
- 「ありがとうございます」
これは「依頼」の機能の会話です。
教科書をリピートしたあとに、いつも少しでも発展させて使えるようにと準備しています。今日は人から借りるものを考えて『お金・教科書・辞書・自転車・体操服・テープ…』などの絵をたくさん書いて黒板に貼りました。
何を借りるのかと、その理由は自分で考えて会話を作らせました。
それぞれ練習させて発表させましたが、よくできる子ばかり当てるのは…と思い、いつも発表しない子に当てると、本当にうまく話せません。
努力してうまく話せないならいいですが、しっかり練習時間に練習していなかったんだと思います。
「練習時間に一生懸命しないとうまくならないよ!!!」と喝を飛ばしました。うまい子はどんどん上手くなりますが、こんなに大人数がいるとどんどん差が開いていきます。
7時間目…2年制の弁論大会校内予選
4月の末に行われる沈陽弁論大会の校内代表者3名を決めるために授業の時間を使って、学生に発表してもらい予選を行いました。
2年生10人の学生が参加。みんな努力して作文を書いたし、一生懸命読む練習をしたので、以前よりは発音も良くなっていました。
私が来たばかりのときは「こんにちは」がやっとだったので。
しかし、本当にみんな緊張しているのと、慣れていないのとで、見事にお経のような「棒読み」でした。。。。しょうがないですよね。。。。表現力なんて、恐ろしくて要求できませんでした。読むのに必死なんですもん。
発表の前に、書いた学生のことをまず「よく参加した」と褒めました。
時間だって少ないし、日本語で書くのはいろいろとうまく書けなかっただろうと思います。結果よりも「過程」だ大事だし、努力した分、発音や作文能力に結果が現れてくると話しました。
沈陽の弁論大会は水準が高いし、この学校の生徒だけが田舎から参加するので、沈陽の学生より口語の面で大きな差があると思います。
結果ももちろん大事だし、頑張って欲しいですが、参加して外の世界を知ることも大事なんじゃないでしょうか。この学校の生徒は大都市に行ったこともないので、行ってこの田舎町とは違ったものを見、同じ日本語を勉強している学生の弁論を聞くこと自体、すごい経験だと持っています。
ひとりの比較的いい内容の学生以外、本当に似たり寄ったりで選びがたいですが…。連日夜の作文指導、発音指導にかなり疲れていますが、それは学生もいっしょと思い頑張ります。しかしこれからが本番なんですよね…!!ヒ〜ッ。
学校の状況を見ると、その国の持っている問題、その国の考え方が少し見えるような気がします。「今の学生には感動とか新しい発見とか、自分の意見がない」とある先生はおっしゃっていました。
確かに。。。。本当に見ててそんな気もします。でも教え方も大きくそれに影響しているように思えました。例えば、中国の国語の時間は「自分の発想で自由に自分の意見を書く」ことはしないで「模範作文」を覚え写すことがよくあるそうです。
だから具体的な自分の経験を書いた作文なんて慣れていないんです。
あとで審査をしながら、同僚の先生たちと交わした会話。
私「どうしましょうか。誰を選びます?」先生A「う〜ん、全部下手だなあ」先生B「この子は内容はまあまあだけど、発音がなあ…」先生A「この子は発音がいいけど、内容は面白くもなんともないよ」私「う〜ん。確かに。難しいですねえ」