2002年の3月の記録

北寧 in チャイナ 28 〜弁論大会作文指導〜

2002年3月11日 月曜日 17:02送信

みなさま、こんにちは。もう3月中旬。日本はもう春なんでしょうね。ここ北寧も今日はとても暖かく、「ついに春がきた!!」という感じで、(相変わらずいいものを食べてないわりには痩せませんが!?)心も身体も軽くなった気分です。

新学期が始まり、1周間が経ちます。いつもはのんびりの北寧モードなんですが、4月と5月に弁論大会があるので、その準備ですこし忙しいです。

この半年は1年生三コマ、2年生三コマ、3年生1コマの計7コマを持つことになりました。1,2年生には作文、聴解、会話、日本事情を教え、3年生には作文を教えています。

そして弁論大会前ということもあり、毎晩6時から9時まで学校で学生に作文指導を行っています。自主的に書いてきてくれる学生の作文に目を通し間違っているところに下線を引き、一対一で話しながら、間違いを直させ、自分で考えさせるという、めちゃめちゃ時間のかかる方法で指導しています。。。。本当に疲れます・・・・・。

先生が直してしまったら、はやいけど、学生の意思がわからないし、第一「先生が直してくれる」という甘えを持たせないためにも、学生自身の日本語の総合力を上げるためにもひとり1時間くらい根気よく作文を見ています。

「作文」と一言で言いましても、中国の作文と日本の作文は本当に考え方そのものが違います。自分の経験、考えに基づいた作文を書いてね!と言ってもうそくさい作文をチラホラ見かけます。あと、きれいな言葉で書こうとするため、大袈裟で抽象的なものが多いように思います。

わたしが初めて会う外国人だと言いながらも、「親友の中村くんが…」とか作文に書いている学生…。「日本人の友達いないでしょ?これはうそでしょ?」と言うと、「日本人の事を書いていたほうが印象がいいと思って…」「…。だめ!!」

「コンピュータが欲しくてたまらないが、父の苦労を思うと言い出せない悩みについて」の作文。ふんふん、なるほど!!と読み進めていくと最後に感動のドラマが。「ある日、学校から帰ると、一台のコンピュータが私の机に置いてありました。私が振り向くと、父の笑顔が…」このような内容でした。

みんなの生活レベルを知っているので、コンピュータ持っているなんて、みんな大騒ぎだよ!!と思い、「本当に買ってもらったの?本当じゃないでしょ?」「はい、うそです」「本当の事書いてって言ったでしょ?買ってもらってなくてもいいじゃない」「でも感動しません」「…。」

こんな感じです。中国の作文は、たとえ本当のことでなくても表現がきれいであったり、人を感動させる内容が大切なのだそうです。作文に対する考え方が全く違うので、生徒も大変だと思います。

このことは前から聞いていたので、「中国の作文とは考え方が違うこと、別に人を感動させようと思わなくていいから、ありのままを書くこと。ありのままの素直な作文が自然に人を感動させること。具体的にわかりやすく書くこと」を何回も話してきたのですが、なかなかうまくいきませんね。。。。。

わたしも、もし中国語で中国式の書き方をして作文を書くように、と言われたら、まずその考え方を理解するのが大変で、日本式の作文を書きたがると思います。

でも、言葉を学ぶとともに、その国の考え方を学ぶいい機会なので学生には、何回も繰り返し自分の経験を書くように言ってます。これでかなりエネルギーを費やすため、夜帰ってくるとヘトヘトです。

あと、4月に北寧高校内で弁論大会を開く予定です。作文弁論と、暗唱の部も作って、作文に自信がない子も頑張って参加してみる機会を作ろうと思っています。根回し、同僚の先生への協力呼びかけ、学生の指導に知恵熱がでそうですが、なんとか成功させたいと思っています。そして協力隊の友人にできたら参加してもらって、私以外の日本人とも触れ合ういい機会を先生や学生に味わってもらえたらと思っています。

かなり「わたしイコール日本人」という極端な例を北寧の村の人たちに印象づけているので、中和しなければ…(^_^;)。

では、頑張ります!!