2002年1月の記録

北寧 in チャイナ 20 〜北寧に日本人訪れるの巻〜

2002年1月14日月曜日 1:45発信

明日から試験期間に入るということで、先週もわたしの授業は自習だったのですが、1月末に大連で日本語の研修会があるということで準備に追われています。というか、精神的に追われてるだけで、なかなかお尻に火がつかないんですけどね…。

今日こそ準備をしなくては、と思い、勉強し始めたら、いつものごとく校長先生から急な呼び出しが…。

「ゴウバンズというところに日本人が来ているから至急行ってくれ!」とのこと。また突然か!と思いつつも、こんな田舎に日本人が来てるのが不思議で、「はい、すぐ行きます!」と元気に答えてしまいました。

まず校長先生のところへ行くと、「ゴウバンズにある瓦工場に日本人が来ている。その中国の工場と日本人が取引をするので、ちょっとでも高く日本に売りつけるように頑張ってきてくれ給え!!その仕事をするまでは帰ってこなくてよろしい!!」と言われました。

まあ、冗談なんですが。一瞬わたしの聞き取りが間違ってるのかなと思いましたが、校長先生の顔を見てると冗談なんだなと分かりました。

日本と中国の企業の話し合いの場へ。新米通訳に??

車に乗って、ゴウバンズの工場に行きました。するとそこには3人の日本人が。瓦の輸入ということで商談に来られたようでした。

ここには中国人の通訳の方も一人いらっしゃいましたが、彼は英語で通訳をしていました。どうやら、わたしが呼ばれた理由のひとつには『通訳をすること』があるようです。やばい…。Σ( ̄ロ ̄lll)

日本人側3人、中国人の工場側2人、そしてわたしと大連から来られた通訳の方。話し合いが始まりました。わたしは初めてこんな席に参加したので、通訳という重大責任を忘れて、興味津々でした。

日本人側の質問では「瓦の重さはどのくらいか??瓦の強度は?」「検査結果のデータを見せて欲しい」「明日工場の現物を見せて欲しい」「コンテナにはいくつその瓦が入るか?」など、貿易関係の言葉が多かったので、ただでさえ貧困なボキャブラリーなのに「どうしよう??」と思いつつも得意のジャスチャー作戦で伝えました。

久しぶりに日本の企業の方にあったので新鮮でした。ひとりの方は中国のこの工場と10年来の付き合いがあって、社長とも交流されているので少し雰囲気が違いましたが、あとの2人の方は初めて中国にいらしたようで緊張気味。

やっぱり言葉の問題も大きいのでしょうか。シ〜ンとした雰囲気が広がっていました。一方、中国人側はなんかドド〜ンと落ち着いた雰囲気がありました。

そこで瀋陽の日本人企業の方が「中国での商売は本当に難しくて、駆け引きなどは絶対中国人に勝てない」という言葉を思い出しました。

なんか雰囲気的に“さむかった”ので、休憩時間は、日本にはこの果物はないとか話したり、(貧困な話題…。)日本人のほうがお香が好きということなので、「香炉」はこの近くに売っているかとか、聞いたりしました。

香りを楽しむのは日本では数年前から流行っているんだということを話すと、中国人側は「それで商売はできる?」と聞いてきました。おいおい、また商売か?( ゜A゜;)

もちろん中国式宴会へ

会合のあと、宴会へ。中国では商談と宴会はセットです。日本でも「接待」がありますが、中国ほどでもないと思います。

いろんな料理が出てきました。“鳩”やら“豚足”やら、“鳥の足”やら“豚の骨”やら。わたしも来たばかりのときは、「ゲッ、こんなものまで食べるのか?」とビビっていましたが、耳にたこができるほど「入郷随俗(郷にいれば郷に従え)」と言われてきたので、(かなり迷惑…)ありがたくも?!食べられるように。

食べると、まあまあいけるんですよね。日本人の方もおっかなびっくり食べていました。「これ何かな?」と聞かれても「鳩です」とは、ちょっと言えませんでした。スンマセン!

宴会イコールお酒、お酒イコール断っても飲まされる。今回は日本人側の社長が吊るしあげられていました。「社長!私たちの事業の成功のために!カンパ〜イ!」いろんな人からこう言われて、何杯も一気をしていました。

日本語で「社長、『乾杯』は中国語では『最後まで飲む』という意味なので、本当に辛いときは『随便(スイベン)』(自由に飲むという意味)と言ったほうがいいですよ」とアドバイスをしたら、今度はわたしがやり玉に…。

「頭が痛いです」「目が回ります」と言っても、「仲のいい友達に会ったら1000杯飲んでも酒は足らない」という、結構迷惑な中国の諺を言われて、飲まされました。

面白かったのは、日本人の企業の人たちです。さっきの商談では本当に静かだったのに、お酒が入ると元気になってきて、日本式の一気などを教えていました。

いずれにしても言葉の問題はあるのですが、お酒が入ったのと、入ってないのでは、こんなに言動が違うものかとびっくりしました。わたしも日本人なんで、日本人のときはこうだったかも?と思いました。

最近、本で「日本人は永遠に中国人を理解できない」という本を読みました。その本は孔子の75代目の子孫の「孔健」という方が書いたものです。

その本の内容、すべてにおいて賛成はできませんでしたが、中国に来てから読んだので、納得できる部分の多かったです。

そのなかに、「商売のときの中国人の粘り強さ」や「日本人の単純さ」についてもかかれていました。それがすべてがそのまま正しいとは思いませんし、わたしも中国に来たばかりで、よく分かっていませんが、その話は一理あると、今回の経験を通して少し思いました。

今回呼んで頂いたお陰で、いい経験が出来ました。わたしは、日本語教師になる前に、流通関係の仕事をしていたので、基本的に商売は好きです。学校に住んでいるので、中国人の企業の方と知り合える機会もなかったし、日本からいらっしゃって取引をされている現場を見られたことも、とてもいい経験になりました。

わたしの中国語は発音もおかしいし、文法もおかしいし、語彙も少ないので、せっかく中国に来ているのだから、ちゃんと勉強しよう!!と思いました。

すべてがいい経験ですね!!さらに日本人企業の方から『酢昆布』と『森永ハイソフトキャラメル』を頂きました。何よりも感動!!!(≧▽≦)

それをもらって目をウルウルさせているわたしを見て、「…苦労してるんだね…」

苦労はそんなにしてないんですけど。

ほろ酔い気分で帰ってきて、いきなり現実に…。大連研修会のレジュメが…。もうあと時間もないのに…。まあ、明日頑張ります!!中国風に「なんとかなるさ!」でいきます!

日本は、今年に入って寒くなったそうですね。お体に気をつけて下さい。海外の皆さんも、お互い健康に気をつけましょうね!!では!!